私どもでは、「毎月3冊読書」運動を実施して
幅広い知識・教養等のボキャブラリーアップを心がけています。
その中で、一部を紹介させていただきます。

 

人生と仕事について知っておいてほしいこと

松下幸之助PHP研究所)

本書「人生と仕事について知っておいてほしいこと」は、松下幸之助氏が後世の
人たちに向けて、直接語った内容で構成されているため、どこから読んでも入りやすく、
会社経営者にとって座右の銘になることは勿論、幹部の方々にとっても部下育成の
参考になるヒントが随所に盛り込まれています。

皆様も良くご存知のように、氏は「まず人間が大事である」との哲学を持っており、
そのことを更にわかりやすく言うなら、人間は「出来る人」でも「頭の良い人」でもなく
「愛される、人間的魅力のある人」でありたいという気持ちが根底にあったようです。

お客様に「あの人がやってはるのやったら良いな、物を買うてあげよう。」と
思っていただくには、「愛されること」。こうまで断言されると、ビジネスマンは
タレントさながらに、愛嬌をふりまかないと生き残れないかの様です。

しかしながら、「愛嬌」とは元来、ニコニコして人付き合いの良い様子を表すものではなく、
仏のように柔和で慈悲深く、自然と敬愛せざるを得ない容貌を指していたと言われます。

氏の「愛される人」という言場を突き詰めて行くと、宗教感とも言うべき深い想いが読者に伝わってくる一冊です。

 

「働き方革命〜あなたが今日から日本を変える方法〜」

著者:駒崎 弘樹
出版社:ちくま新書

内容
著者の駒崎さんは、今年30歳の若手の「社会起業家」です。
慶応義塾大学在学中にITベンチャーを企業し成功するものの、
卒業後、病気になった子供を預かってくれる保育所や施設がなく
働く母親が困っている「病児保育問題」というものを知り、
ITベンチャーを友人に譲り、「病児保育」のNPO法人を起業したいう
変り種の経営者です。

この本は、自分がどうして「病児保育」に関わるようになったかということを
若者らしい軽いタッチの文章で書かれていますが、
どっこい、社会問題を解決するためには「働き方」そのものを
根底から変えていかなければいけない。

「働き方」を変えることが社会を日本を変えることになる。
ということが書かれており、「働く」ことの意義を
考えさせられる素晴らしい本です。

著者がいう「働き方革命」のコンセプトは
・「長時間がむしゃら労働」から「決められた時間で成果を出す」スマートワークへ
・「自分の(キャリア・家族)のための仕事」から「自分を含めた社会のための仕事」へ
・「仕事とプライベートを完全分離し、生活のために稼ぐことを「働く」と定義すること」から
「プライベートを含めて、他者に価値を与えることすべてを「働く」と定義すること」へで、
ワークライフバランス(仕事と家庭の両立)をはかるためにいかに最小の時間と労力で最大の効果を出すかという
「仕組み」の実践と効果が紹介されています。

たとえば「仕事の仕組み化」として
@属人性の排除(この仕事は○○さんじゃないとできないということをなくす)
Aマニュアル化(引継ぎ目的だけでなく文書化することで業務改善ポイントが明確になる)
Bジョブローテンション(情報の共有をはかるために定期的に職務の異動をする)などが紹介されています。

業務効率化のヒント集の本ではないが、仕事をしていく上でいろいろな気付きを与えてくれます。
経営者だけでなくすべての「働く人」に読んでいただきたい本です。

 

「1秒!」で財務諸表を読む方法

著者: 小宮一慶(経営コンサルタント)

内容: この本は財務諸表を見る場合に気をつけるポイントが書かれた本です。
項目として【流動比率】【手元流動性】【自己資本比率】【ROA・ROE】
【労働分配率】【フリーキャッッシュフロー】などの説明がされています。
【自己資本比率】の話では、自己資本比率は高ければ高い方がいいと思
われているが、上場企業等で自己資本比率が高すぎると

@ブルドックソースみたいに外資ファンドからTOBをかけられてしまう
A純資産の調達コスト(≒配当)が負債の調達コスト(金利)を
上回ってしまうなどの問題がでてくるため、花王はカネボウの
化粧品部門を買収する資金をわざわざ借入をして賄い、
トヨタは無借金経営でもやっていけるがわざわざ借入をして自己資本比率を
意図的に下げる努力をしているということが実際の決算数値を元に説明されています。

ほとんどの経営数値の本は、計算式が並べてあるだけでその指標をどのように当てはめていくか?
実際の経営数値に当てはめるとどうなるか?ということは説明されていません。

この本は花王・トヨタ・JR・JAL・楽天などの誰でも知っている会社の数値を元に説明しているため、
すんなり理解できると思います。

経営分析の入門書として読まれてはいかがでしょうか?

 

「スティーブジョブズ・人を動かす神」

アップルの創業者ジョブズの「新しい何かをつくりだす」という考え方
やジョブズの歴史が記されている。

中でも特に印象に残った考え方を紹介します。
@到達点が出発点と考えると次の一手がみえてくる。
A私は人生を休憩しない(ハングリーであれ)
B勝つ常道は勝つまでやめないこと
C「視える化」が成功の始まり
D挫折は「立ち上がり方」が重要 など

この本を読むことで現状に満足してはいけないと思えるようになり
チャレンジし続ける重要さを感じることができると思います。

 

これからの社長夫人は会社経営のプロになれ!

矢野 千寿  著
アーク出版  1,470円

著者略歴
1942年 山口県生まれ
日本で唯一の社長夫人育成コンサルタントとして
テレビ・ラジオ・雑誌・セミナーなどで活躍中
現在、福岡市在住

「ナンバー2の不在が業績低迷の原因」とお考えの社長さん、
社長夫人の役割を見直してみませんか
会社経営を「幸せのりんごの樹」にたとえ、幹を育てたくさんの
りんご(利益)を実らせることが社長の仕事、幹を支える土壌
(組織風土)づくりが社長夫人の仕事であると著者
人生の伴侶である奥様が社長にとって最高のビジネスパートナーに
なれること受けあいの一冊です

 

へぇ、儲かる会社はこんなことをやっているんだ!

小山 政彦 著
三笠書房 1470円

著者略歴
家業のディスカウント店の店長を経て、36歳で船井総合研究所に
入社し、現在、船井総合研究所 代表取締役社長

「儲かる会社」のルールはシンプル、3年間必死にやればなんでもできる
「人生の師を見つけてコピーせよ!」等、1回のボーナスに1,780万円を稼ぐ
社員のいる船井総合研究所社長が明かす、実際に大儲けした人達の本当の話です
「ハッ」とさせられる事例が豊富に掲載されています、些細な気付きをモノに
するためのアイデアの事例集で、ビジネスのヒントになると思います。

 

売上2億円の会社を10億円にする方法

著者 五十棲 剛史
ダイヤモンド社 1575円

著者略歴
船井総研を代表する看板トップコンサルタント
これまで手がけたクライアント数は200社を超え
「イソズミマジック」と呼ばれるほど短期間で
各社の業績をみるみる向上されている

「会社を大きくしたかったら、社長は現場にでるな!」

売上2億円までだったら、社長個人の力でどうにでもできる
でも、売上10億円を目指そうと思ったら社長一人の力では
できない
それまでのやり方を根本的に変えないといけない
その為には社長は一切現場に出てはいけない・・・というもの

経営者にとっては、大いに参考になるのでは?

 

「決断力」

羽生 善治 著
出版社 角川書店
定価  720円

著者略歴 棋士、96年に将棋の7大タイトル全てを独占して話題となる

羽生さんが将棋をやっていくなかで、体験的に学んだことをストレートに伝えている本です。
将棋というのは、特殊な分野ではありますが、実はそこで学んだことは、
他の分野でも大いに通じるものなのではないかということです。

また、将棋界にも情報化の波はきており、以前は一度使った戦法が攻略されるまでに数ヶ月かかっていたそうなのですが、
今はすぐに相手が研究するため、三度同じ戦法を使うと三度目は逆にやられてしまうだろうとのこと。

それだけ、全体としてのレベルは高くなっているので、常に研究をしていないと、勝ち続けるのは難しいようです。

本のタイトルとなっている決断力を高めるには、さまざまな経験をしていくことが必要ですが、
実際に決断するときには、自分を信じてシンプルにいくことが大切だとも書かれています。

意外と経営との共通点もありますので、気軽な気持ちで読んでみられるのによい本だと思います。

 

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

著者 リリー・フランキー
出版社 扶桑社
定価  1,575円

著者略歴文章家、小説家、コラムニスト等

リーリー・フランキーの自叙伝。
誰もが思っている親への思いを何も飾らないストレートな言葉で書き綴った本。
文章は息子からの視点で書かれていますが、そのところどころに親から息子への
愛情を感じることができます。
親と子はどんな形であれ深いところで必ず繋がっているということを強く想える本です。
 読み終わったあとは、一度は東京タワーに行っておきたいと思われるのではないでしょうか?
(東京タワーは解体される予定ということです)

会計・経営とは関係ありませんが、感動するだけでなく笑える本なので
難しい本ばかり読まれている方は息抜き程度に読まれてはいかがでしょうか?

 

人は見た目が9割

著者  竹内一郎
出版社 新潮新書
定価  714円

著者紹介
1956年福岡県久留米市生まれ
横浜国大卒。博士。九州大谷短大助教授などを経て著述業。
「戯曲 星に願いを」で文化庁舞台芸術創作奨励賞佳作
「哲也 雀聖と呼ばれた男」で講談社漫画賞を受賞

しゃべりが上手いのに信用できない人と、無口でも信用できる人の差は
どこにあるのか。

ソファーの隙間はなぜ気持ちいいか
オーバーアクションは薄っぺらい
すべてを左右しているのは「見た目」だった。
一般に話すことで情報を伝えていると思っているが、言葉で伝わっているのは
わずか7%に過ぎず、あとは顔の表情等で伝わっている
わかっているようでわかっていない。

「見た目」とは何なのか?
違う視点から再考するにはいい本だと思います。

 

カリスマ体育教師の常勝教育

著者 原田隆史
出版社 日経BP社
定価 1470円

著者紹介
企業経営のノウハウとメンタルトレーニングを応用した独自の指導と「まじめ」を教える態度教育により、
陸上競技の個人種目で13回の日本一を輩出した。
カリスマ体育教師、生活指導の神様と呼ばれ、現在は企業の人材育成にも力を入れている。

自分の目標を達成させるために、必ず長期目標設定用紙というもの作成させます。

用紙の内容は、達成目標、目標により得られる利益、目標達成のための具体的方法などでできており、
これらの内容をより詳細に書き込むことで、勝利のイメージを作り、あきらめの器が崩れ、目標を達成できるというものです。

精神論が大半ですが、自分に明確な目標のある方は参考になるのではないでしょうか。

 

『人を10分ひきつける話す力』

著者 斉藤 孝
出版社 大和書房
定価 1260円

著者紹介
1960年静岡県生まれ。
東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学
文学部教授。専攻は教育学・身体論・コミュニケーション論。
 
人を10分ひきつける話をするためには、まずきちんとした内容が
必要です。当たり前なことですが、実際にやってみると意外と難しいことに気づかされます。
 
本書では、そのために必要なネタ主義、テーマ主義、ライブ主義の三つを柱に
話を展開しています。この本を読めば、人前で話すことに臆することなく、自分の言葉で
話ができる訓練ができ、自分の潜在意識を呼び起こすことができるのではないかと
思います。
これから、面接・プレゼンテーション・スピーチなどの場面がある方は、是非お勧め
します。何らかのヒントになることは間違いなしです。 

『ザ・ゴール』 〜企業の究極の目的とは何か?〜

エリヤフ・ゴールドラット著
三本木 亮訳
ダイヤモンド社 1,680円

著者略歴
機械メーカーの工場長を中心に繰り広げられる工場の業務改善プロセスを主題にした小説。
通常、アメリカでベストセラーとなったビジネス書は、すぐに日本語に翻訳されるものだが、
本書は世界で250万部売れたにもかかわらず、17年もの間日本での出版だけが認められなかった。
いわば「幻の名著」です。

本書は小説ではあるが、その内容は恐ろしいほど実践的で、会計情報の正しい見方や落とし穴、
「効率化」の陰に隠された諸問題を浮き彫りにする。魅力的なストーリーの中に複雑な業務改善のノウハウが
わかりやすい形で盛り込まれており、ビジネスパーソンやマネジャー必読の内容と思われます。

おもしろいのは、思考プロセスとして全体最適化の考え方が経営以外にも応用できる点です。
本書では、家庭の問題に応用して、家庭生活を円満に切り抜けている。
私の場合は、職業会計人としての業務にこの思考プロセスを応用している。
仕事の流れ(段取り)の改善をし、自分で抱えている仕事の生産性向上に役立っている。
ところがよくありがちなのは、目の前にある技術やツール、機器のことばかりに目が奪われてしまい、目標を失いがちなこと。
常にゴールを見て全体を最適化する目で取り組めば、本当に必要なこと、やるべきことが自然と見えてくる。
また本書は、問題解決にあたってはゴール(目的、経営理念)を共有し、信念を貫くことが重要であること、
数字の陰に隠された実態を見抜くことの重要性、情報共有化の意義など、日本での初版は2001年と6年前ではありますが、
今読んでみても経営者にとって大切な氣付きを与えてくれる本だと確信しています。
お手隙の際に是非御一読されてみて下さい。

 

「イヤな客には売るな!」

著者 石原明 
発売元 PHP研究社
定価 1200円

著者略歴
経営コンサルタント
1958年静岡県生まれ
1995年日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして活躍中。
日本経営合理化協会講師も努める。

内容
儲かる会社にするために、「顧客化」をキーワードに、いろいろな事例を織り交ぜながら、
顧客化戦略についてのしくみ、メリットが書かれてあります。営業戦略を立てて実行していく上で、
様々なヒント、氣づきを与えてくれる本だと思います。

 

バルタザール・グラシアンの“すごい”頭のいい生き方

著者:バルタザール・グラシアン(Baltasar Gracian)
佐藤喬 訳・解説
価格:560円

【著者略歴】
グラシアン,バルタザール
17世紀スペインの哲学者であり、イエズス会の修道士、著述家。
「無敵艦隊」と呼ばれた、スペイン黄金時代が終わりを告げようという時期に、キリスト教イエズス会の神学校で教え、
『賢者論』『英雄論』などの世界的著作で知られる。

(内容)
・“労少なくして益多し”の習慣
・“1%のやり残し”が“99%の努力”を無駄にする
・“知識”を価値あるものにする方法
・手ぶらで帰る人、収穫を手にする人の違い

など、哲学者の著者ですが、内容は短く簡潔です。
理想にとどまる人生論ではなく、人間の本質を見つめ、
複雑な現代社会でしたたかに生き抜くためのヒントを与えてくれる一冊です。

 

「伝える力」

著者 池上彰[イケガミアキラ] 
発売元 PHP研究社
定価 840円

著者略歴
1950年、長野県生まれ。
慶應義塾大学卒業後、73年NHK入局。報道記者として、松江放送局、呉通信部を経て東京の報道局社会部へ。
94年より11年間NHK『週刊こどもニュース』でお父さん役を務める。
05年3月にNHKを退社し、現在はフリージャーナリストとして多方面で活躍

NHKの週間こどもニュースのキャスターを長年やっていた池上さんの著書。
伝えるとはどういうことなのかから始まり,「伝える力」を培う方法,聞くとき書くときに対するアドバイス,
使うときに注意しなければならない言葉,そして分かりやすく書くテクニックが記されています
本書では、「話す」「書く」「聞く」それぞれに手法を書いてくれていますが、
結局根本的には、まず自分自身が謙虚で素直に学ぶ姿勢を持たない限りは、伝える力は伸ばせない、
ということが最も印象的でした。
気軽に読める一冊です

 

「売れる21の法則」

著者 村山 涼一(むらやま りょういち)
発売元 中経出版
定価 1,575円

著者略歴
1961年生まれ。
中央大学法学部法律学科卒。
オリコミ(現オリコム)、講談社、NTTアド、東急エージェンシー、旺文社を経て、現在フリーマーケティングプランナー。
書籍のマーケティングから、通信、流通、教育のマーケティングと様々なタイプのマーケティングを経験。
競争戦略、コミュニケーション戦略が得意分野。
著書『最強戦略は「図」で立てる!(PHP研究所)、『パワーコンセプトの技術』(講談社)、
『論理的に考える技術』(ソフトバンククリエイティブ)、『ヒット商品をつくる「企画書」の書き方事典』
『企画が通るプレゼンテーション辞典』(以上、学習研究社)など

内容
ヒット商品を例に取り、著者が考える「売れる21の法則」をまとめた本です。
ユニクロ・黒烏龍茶・ニンテンドーDS・ファブリーズ・アマゾン・ミクシィ・You Tube・男前豆腐・iPod
・ポッキー・メガマック・トイザらス・マツモトキヨシ・ブックオフ・セブンイレブン・セカンドライフ
・ヘルシア緑茶など、100以上のヒット商品を列挙してあります。

「あの商品はなぜ売れたんだろう?」という疑問を、非常にわかりやすく解説してある本だと思います。
商品開発や販売・営業での目の付け所で「なるほど」と感心させられました。
既存商品をヒット商品に甦らせる可能性をも期待させてくれる本ではないかと思います。
私にとっては、少なからずためになった本だと思いますが、既にマーケティングの専門的知識を持った方々にとっては、
在り来たりで物足りないかもしれませんことを付け加えておきます。

「常識の壁をこえて」〜こころのフレームを変えるマーケティング哲学〜

著者  ダン・S・ケネディ
ダイレクトレスポンスマーケティングの第一人者で、米国のみならず世界中に信奉者がいるカリスマ・マーケターであり、
ビジネスに関する講演も数多く行っている著名人である。
監修  金森 重樹
訳   池村 千秋
発売元 阪急コミュニケーションズ
定価  1,575円

内容
この本の原題は、「No Rules(ルールなんていらない)」。
題名のとおり、これまでビジネスや人生で成功法則とされてきたルールや格言は、
実は先にやってきて良い席にぬくぬくと腰かけた特権階級が、あとから来た連中に
席を横取りされないために作ったルールであったり、自分たちの保身のために彼らに有利に作られたものなのだ。
として代表的な18の原則に対して異議をとなえる内容になっている。

どの章も常識やぶりの内容だが、特に第12章の「お客様は神様です」のウソは刺激的で、
著者は「年に一度は顧客リストの大掃除をしよう」と勧めている。
個々の顧客の価値をじっくり検討し、その顧客のためにかかるコストを徹底的に洗い出せといっている。
「80対20の原則」はどの業種にもあてはまり、利益の80%は20%の顧客によってもたらされ、
トラブルの80%は別の20%の顧客によってもたらされている。
つまり、トラブルのタネになるだけで利益をほとんどもたらさない顧客を追放することで
生まれた空白を戦略的視点から選んだ顧客で埋めることで、会社の収益も上がり、顧客にも満足してもらえるし、
経営者も不満やイライラをため込まずにすむと勧めているのだ。

この本はマーケティングにとどまらず、
ビジネスをしていく上で重要なことを再確認するためのビジネス哲学の良書なので強くおすすめします。

 

情報は1冊のノートにまとめなさい

著者: 奥野宣之
出版社: ナナコーポレートコミュニケーション
定価: 1,365円

著者略歴
奥野宣之(オクノノブユキ)
1981年、大阪府生まれ。
同志社大学文学部を卒業後、現在まで環境、運輸などの業界紙で記者として活躍。
かたわらで雑誌、フリーペーパー向けに原稿執筆、写真撮影なども行う。
行政や企業を取材してビジネス記事を書く一方、取材メモの整理と原稿作成に苦労した体験から、
効率的な情報管理についても研究を重ねる。
ややこしい話をキャッチーに要約したり、インタビューをそれらしくまとめる手腕には定評がある。
発信側の真意を酌んで読者に本質的な意味を示す「コミュニケーションの仲介役」になれるよう心がけており、
そのノウハウは他のビジネスにも有益だと考えている。
『情報は1冊のノートにまとめなさい―100円でつくる万能「情報整理ノート」』がデビュー作

内容
分類・整理しても使えなければ意味がない。
実際に情報を使うための「一元化」管理術。
何冊も使い分けるからうまくいかない。
分類・整理しても使えなければ意味がない。
実際に情報を使うための「一元化」管理術を紹介。

誰でも今すぐできる、ローテク知的生産術の紹介なのですが、実際はノートを利用しなくても
別の一元管理できるものを利用してもいいと思います、まとめ方とか考え方の方が参考になりました。

 

デッドライン仕事術

著者: 吉越浩一郎
出版社: 祥伝社
定価: 740円

著者略歴
吉越浩一郎(ヨシコシコウイチロウ)

1947年千葉県生まれ。ドイツ・ハイデルベルク大学留学後、72年に上智大学外国語学部ドイツ学科卒業。
極東ドイツ農産物振興会、メリタジャパン、メリタカフェを経て、83年にトリンプ・インターナショナル(香港)に入社。
87年にトリンプ・インターナショナル・ジャパンの代表取締役副社長、92年に代表取締役社長に就任。
トリンプを19年連続増収・増益に導き、2006年退任。現在は経営コンサルティングの分野で活躍中。

内容
「人間は基本的に怠け者だから時間がいくらでもあると思うと、・・・無駄な時間が増えるだけなのだ」
デッドライン仕事術とは「就業時間も仕事も、すべて締切を設定する」という仕事手法である。
ダラダラと残業せずに、毎日、「今日は○時に帰る」と決めて仕事をする。
「来月中旬ごろ」という曖昧な言い方はやめて、「×月×日まで」とすべての仕事に締切日を入れる。
この二つを実行するだけで、仕事効率は驚くほど上がる。

・「会議は話し合う場ではなく、決める場」
すべての議題に対して2分ほどで「現状どうか?」「課題は何か?」「対策は何か?」を担当に報告させ、
良ければその対策をいつまでにするかをデッドラインを決める。
だめであればつぎの日までに代案を出させる。
「迷うならやった方が早い」という価値観の元、「とりあげるか迷う議題」はすべて会議で処理する。
会議によって情報を共有し、何を誰がいつまでにやるかを確定させる。

・「定年後に直面する空っぽの私生活」
著者は仕事一辺倒の人間になれと言っているのではない。
ライフワークはあくまで「ライフ」と「ワーク」であり一体ではない。
人生(ライフ)を有意義に過ごすために仕事(ワーク)は時間内できっちりとやりメリハリをつける。
ワークはライフに必要な生活を支えるために必要な手段である。
仕事が人生だという人は、定年退職時点で人生は終わる。

単なるビジネス書に終わらず人生を考えさせる良書です。

ビジネスマンのための「解決力」養成講座

著者プロフィール
小宮一慶

経営コンサルタント。
株式会社小宮子サルタンツ代表。
明治大学大学院会計専門職研究科特任教授。
十数社の非常勤取締役や監査役も務める。

1957年、大阪府堺市生まれ。
81年に京都大学法学部卒業。東京銀行に入行。
84年7月から2年間、米国ダートマス大学経営大学院に留学。MBA取得。
帰国後、同行で経営戦略情報システムやM&Aに携わったのち、
岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングにあたる。
その間の93年初夏には、カンボジアPKOに国際監査員として参加。
94年5月からは、日本福祉サービス(現セントケア)企画部長として在宅介護の問題に取り組む。
96年に小宮コンサルタンツを設立し、現在に至る。

@問題の特定A特定された問題の解決策の策定B解決策の実行
という流れで、順を追って問題解決していく過程を学習できます。
具体的な問題解決のツールとしては、UDE、ロジカルツリー、
ディシジョンツリー、プロコンリスト、パート図、マーケティングの5P・4C・QPS、
AIDMA、SWOT分析、PPM、 ABC分析、レーダーチャート、PDCA、仮説検証、会計等々、が紹介されています。
事例問題形式で解決策を問い掛けてくる形式をとっており、
読ませるだけでなく、考えさせてくれる本です。

「壁を壊す」

著者 吉川 廣和
出版社 ダイヤモンド社
定価 1680円

内容
ズバリ! タイトル通りの壁壊しの本である。

会社を改革したい。しかし、そこには改革を阻むいくつかの壁がある。
一つは組織の壁、二つは上下の壁、三つ目は長年にわたって蓄積された社風・風土の壁である。

著者は、この見えない三つの壁を更に厚く高く補強しているのが、目に見える物理的な壁の存在であるとして、
この壁(背の高いロッカーやパーテーションなど)を破壊し続け、仕事の仕方をまず形から変えたという。

しかしながら、最もやっかいな壁は四つ目の「心の壁」である。また、上述の物理的な壁も突き詰めていくと、
この「心の壁」に辿り着くとも述べている。こうして創業以来の大改革をやり抜こうとする過程が、未踏領域
への挑戦として描かれている。

終章の「壁から学んだこと」の中のサブタイトル「会社のためにという嘘」「悪い本社からは良い
工場は生まれないという痛感」「徹底的にオープンであることの大切さ」・・・など、詳細な改革論へと
読者を誘い、最後は「我以外、皆我が師」と結んでいる。

会社ばかりではなく、自分自身の「心の壁」も取り除ける一冊です。

 

 

「ドラッカーさんが教えてくれた経営のウソとホント」

著者   酒井綱一郎(さかいこういちろう)
出版社  日経ビジネス人文庫

著者紹介
日本経済新聞社執行役員グループ経営室長
1957年生まれ
国際基督教大学(ICU)卒業、毎日新聞社入社
88年日経BP社入社、日経ビジネス編集部長
日経ビジネス発行人などを経て、現在に至る

内容

この本は、社会生態学者である故ピーター・ドラッカーさんとの数回にわたる直接対話から生まれた本です。
ドラッカーさんは、2005年11月に、95歳で亡くなられました。
経営学者、未来学者、社会生態学者、ジャーナリストと多岐にわたる肩書が物語っている通り、
ドラッカーさんが扱ったテーマは広範囲に及びました。

社会構造が変われば、経営の常識も変わります。

ドラッカーさんへの三度のロングインタビューで「人口減の影響は?」「カリスマは必要か?」「日本的経営はなにを間違ったか?」
としつこく質問をし、それに対してドラッカーさんは何千年もの歴史や企業の現実を踏まえ、
経営の常識だと私たちが思っていることが、いかに砂上の楼閣であるかを示しています。

「経営のウソとホント」を明確に切り分けて説明している本です。

経営者にとってビジネスのヒントになると思います。

 

 

野村再生工場

著者 野村克也
出版社 角川書店

プロ野球楽天監督、野村さんの最新本です。
野村さん自身は、苦労してプロ野球の世界に入り、一度は首を言い渡されながらも、
「この世界で食っていくんだ」、という気持ちでしがみつき、
その後は御存知の通り、三冠王を含む素晴らしい成績を残しました。

ご自身曰く、天才的なバッターではないらしいのですが、

なぜ、現役時代に好成績を残せたのか?
なぜ、監督として弱小球団のヤクルトを何度も優勝させることをできたのか?
なぜ、阪神では3年間最下位だったのか?・・・・・

共通して言えることは「しっかり考える、考えさせる」ということです。
実績のある野村さんの言うことですから説得力があります。

人材の的確な把握、選手の再生、そして強固の目標の認識。
弱者が強者に勝つための「野村再生工場」の秘密のノウハウがつまっています。
あの「ボヤキ」にも秘密があるようです。

 

「脳を活かす仕事術」

著者  茂木健一郎
発行所 PHP研究所

著者紹介
脳科学者。
ソニーコンピューターサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院連携教授、
早稲田大学国際教養学部非常勤講師。
最近は、様々なメディアでご活躍されていますので、ご存知の方も多いと思います。

内容
人間の脳の中には、感覚系学習と運動系学習を司る領域があるそうで、
仕事上、この感覚系と運動系のバランスが大切なのだそうです。
感覚系とは、見る、聞く、感じるなどの五感を通じて情報を受け取った時、主にその処理や認知を行う領域のことで、
脳に情報を入力するというインプットの作業です。

一方の運動系とは、実際に手足や口などを動かすことを司る領域のことで、
入力された情報をもとに出力するというアウトプットの作業です。

感覚系ばかりが発達していると「納得のいくよいものが作れない」ことになってしまい、
逆に運動系だけが発達しすぎると「たいしたことのない成果物」になってしまうということです。

現代人は情報に触れる機会が多く、インプットすることによって感覚系が発達しているケースが多いそうなので、
もっと運動系を発達させることにより、脳を活かした仕事ができるということになります。
そして、運動系を発達させるためには、とにかくアウトプットを積み重ねること。
例えば、役立ちそうな情報を誰かに話して出力することで、その情報が自分の血となり肉となって整理されます。
また、「ああでもない、こうでもない」とか「もっと完璧に」と悩まず、仕事はなるべく早く実行することが大切とも述べられています。

おわりの章で、著者は「脳は何度でもやり直しがきく」とおっしゃっています。
今までの脳科学では「一度成長すると脳細胞の配列は変化しない」と考えられてきましたが、
この考え方は否定されつつあり、「人間の脳は常に変わりうる存在だ」と考えられているのだそうです。
仕事においても、自分のことを簡単に決めつけるのではなく、変わることができると信じることが大切なのだと感じました。

 

「仕事は楽しいかね?」

著者  デイル・ドーテン
訳   野津 智子
出版社 きこ書店

この本は、主人公が吹雪で閉鎖された空港内である老人に出会うことから始まる。
老人は不平や不満、不安だらけの主人公に

@試すことの大切さ
A変化し続けていくことの大切さ
B考え続けることにより生まれる気づきの大切さ

をいろいろな実例を挙げながら分かりやすく解説していき、主人公の考え方を変えていくという自己啓発の本である。

この本の中で一番印象に残っているのはコカ・コーラが出来たときの話である。
コカ・コーラは薬屋をしていたジョン・ペーバートンが、新しく開発したシロップ状の頭痛薬を従業員が水に割って飲んでいるのに
興味をそそられ、自分で飲んでみてソーダ水をいれたらもっといい味になると思い、売り出したのがキッカケということである。

普通の人は、従業員が売り物である薬を水で割って飲んでいれば怒ってやめさせるだろうし、
ましてソーダ水を加えようと試すこともしないが、特別な人は日常ありふれている事柄にいろいろ試すことによって
成功を勝ち得ていく。

つまり、成功している人は特別なことができる人ではなく、
みんなが共有している事柄にいろいろなことを試し変化させていくことが出来る人であるということである。

いろんな自己啓発の本と違い、物語になっているので小説の感覚で読んでいくことが出来て読みやすいと思います。

なにかを「変えたい」と思われている方はぜひ読まれてください。

 

ジェネラル・ルージュの凱旋
著者:海堂 尊
発行:宝島社

著者紹介:
「チーム・バチスタの栄光」(映画・ドラマ化)で2006年にデビューし、
その後わずか2年の間に、ヒット作品を世に5本も排出した、現在注目されている医療系小説家。

作品内容:
彼の作品の第3弾で、今回も大学病院が舞台となっている、院内での信頼はかなり高い1人の先生(通称:ジェネラル)に
横領の疑惑が生じるのだが、その裏には、ジェネラルの信念が隠されている。

海堂尊さんの作品は、病院の実状や実態がとてもわかりやすく書かれてあり、大変勉強になります、
小説の終盤では、ジェネラルの信念とジェネラル・ルージュの異名の謎が判明しますが、その時は鳥肌が立つぐらい感動します、
今度映画化されますが、その前に小説を読まれる事をお勧めします。

 

この世でいちばん大切な「カネ」の話し

著者   西原理恵子
発行所  理論社

著者紹介
漫画家。
毎日新聞に連載され、アニメ化が予定されている「毎日かあさん」や映画化される「いけちゃんとぼく」の作者です。

内容
この本の中で一番印象に残っているのは、お金の価値観です。
生きていくなかで、働くこと、お金のことを今までの自分の価値観とは違った別の視点で考えさせられる本でした。

作者が「絵」を書くことで食べていこうと決意し東京の美大を受験する日、
義父親が自殺し受験どころではなく家に帰ると、お葬式には借金の取立てがたくさん来ていた。

大学どころではないと思っていると、母親が家にある全財産の140万円のうち、
東京の予備校に行きなさいと娘に100万円を渡す。

追い込まれた状況で、目先にとらわれず何が一番大事なのかを考え実行できる意志はすごいなと感じました。

「笑い」を主においた作家なので、重くならず読める本です。
     

作者のブログから
        
なんか最近、経済本やら新聞でインタビューがやたらくる。
この本のおかげらしい。
なんつーか、よくあるワンランク上の女を目指す。
砂金掘りにスコップ売る啓蒙本の西原番。
人生スリーランク落ちないための本。
三段階落ちたら、めったにはい上がれませんぜ!

 

『現代語訳 学問のすすめ』

著者  福澤 諭吉 
訳   斉藤 孝
ちくま新書 760円

著者:福澤 諭吉
1835年〜1901年。中津藩士、著述家、教育者、啓蒙思想家。慶応義塾の創設に尽力した。

訳:斉藤 孝
1960年生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。

内容
「天は人の上に人を造らず…」のフレーズで始まる福澤諭吉の大ベストセラー『学問のすすめ』の現代語訳です。
この書での「学問」は、机上の学問でなく、社会の役に立つ、実用的な学問を指しています。
そしてすべての人が学ぶこと、国家と個人の関係を見つめ、世のために働くことで
自分自身も充実する生き方ができると書かれています。

著者がこの書を執筆した当時の日本は、どのようにすれば国や個人が独立し、植民地化を防いで近代化出来るのか、
皆が考えなければならない状況にあり、当時の学問の重要性が分かります。
明治時代に書かれたものですが、今の自分に熱く問いかけられているような感じがします。
また、各編は独立しているので、興味を持った章から読み始め、さらに読み進めるという読み方もおすすめです。


 

『働く理由―99の名言に学ぶシゴト論。』

著者:戸田 智弘
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン


著者紹介:
ライター&キャリアカウンセラー。
1960年愛知県生まれ。
北海道大学工学部、法政大学社会学部卒業。
著書に『50歳からの海外ボランティア』、『妻が夫に書かせる遺言状』、『海外リタイア生活術』、『元気なNPOの育て方』、
『狙われる日本人』、『職在亜細亜 職はアジアにあり!』などがある。

作品内容:
著者のわかりやすい解説付きの名言集です。
歴史上の人物の言葉のみならず、経営者、作家、スポーツ選手など、現在も活躍されている方たちの言葉が引用されています。

印象に残った言葉は、
『すべての人生のことは「させられる」と思うから辛かったり惨めになるので、
「してみよう」と思うと何でも道楽になる。』(作家:曽野綾子)
どんなことでも、まず「やってみよう」という姿勢で臨むことが大切なのだなと思いました。

「何をしたいのかわからない」、「何のために働いているのだろう?」、「どんな仕事に向いているのだろう?」などの
悩みがある方は、この本を読むときっと前向きな気持ちになれると思います。
本書を通じて、自分なりの仕事論を見つけることが出来るのではないでしょうか。